クロマトグラフィーというロシアの植物学者ミハイル・ツヴェットが発明した物質を分離する技法を応用した織物である。本来、染色とは糸に染料を吸収させ、定着させることを指すが、この作品では、それぞれの染料の電荷・質量・疎水性の差により、異なる時間で糸の中を染料が移動する。湿度や水分量を適正に保つことで、この分離と移動が起こり、染料が糸へと浸透した後も動的に色が変化し続ける。